「タンス預金」が13兆円も減少!4つの要因とは?
「ゼロ金利」が続く中で、2023年1月には過去最大の60兆円にまで膨らんでいた「タンス預金」。しかし、2025年7月には約47兆円にまで減少したようです。タンス預金とは、銀行に預けずに自宅や会社の金庫に保管している現金のことを指します。
2024年に入ってからタンス預金が減り始めたのには、以下の4つの要因が考えられます。
1.金利の上昇
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以来、「金利のある世界」が復活しました。これにより、定期預金や個人向け国債に資金を移す人が増えたと推測されます。
2.物価高の進行
食料品や日用品の価格が上がり続けることで、タンス預金を切り崩して生活費に充てざるを得ない世帯が増えました。また、インフレが進むと現金の価値は相対的に下がります。「お金をそのまま持っていても損をする」という認識が広まり、株式や投資信託、金(きん)などの資産に換える動きも活発になりました。
3.新紙幣の発行
2024年7月に新しい紙幣が発行されたことも、減少の一因です。古いお札は今後も使用できますが、「いつか使えなくなるのでは?」という心理的な不安から、金融機関に預け入れた人が多かったと考えられます。過去にも、紙幣の刷新時にはタンス預金が一時的に減少する傾向が見られました。
4.強盗リスクの増加
近年、広域にわたる強盗事件が多発したことも影響しているでしょう。自宅に現金を置いておくリスクが高まり、安全な場所として銀行に預け直す動きがあったと推測されます。
タンスに眠っていたお金が、金利の上昇や社会情勢の変化によって動き出し、預金や投資に回ることは、経済の活性化につながる可能性があります。
今後の経済成長にどう影響していくか、注目が集まっています。
2025-10-10 by
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