【養子縁組の落とし穴❸】養親が亡くなったら、自動的に養子縁組解消?

「この度、叔父が亡くなりました。生涯独身で、祖父母も先に亡くなっているため、相続人は亡き父の一人娘である私だけです。私は離婚しており、両親と養子縁組をしていた元夫は、離婚時に母と養子縁組を解消しています。父は既に亡くなっていたので、元夫との養子縁組は自然に消滅しています」

いえいえ、それは違います。
「養子縁組をした養親(あるいは養子のいずれか)が亡くなってしまえば、離縁の手続きはいらない!」と思っている方が多いようですが、普通養子縁組は自然消滅しません。

死亡後の離縁は、生存している側が家庭裁判所に申し出て、許可を得なければなりません。事例の場合、元夫が離婚時に手続きをするべきでした。

従って、元夫も亡くなった叔父の相続人になります。元夫と疎遠になっていたとしても、相続手続きのために連絡を取って、遺産分割協議をしなければなりません。

この事例を読んでドキッとされた方は、戸籍の確認をしておきましょう。
2024年3月1日からは、「広域交付制度」といって、自宅や職場の最寄りの市区町村役場の窓口で、本人、配偶者、父母や祖父母などの「直系尊属」、子や孫などの「直系卑属」の戸籍謄本・除籍謄本を取り寄せることが可能になりました。この範囲であれば委任状がなくても取得できます。

相続が発生してからでは手遅れになることもありますので、心配事は今の内に確認しておきましょう。

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