「事実婚」と「法律婚」の違いとは?

近年、あえて婚姻届を出さない「事実婚(内縁)」を選ぶカップルが増えています。理由は夫婦別姓の希望や再婚時の子供への配慮など様々ですが、単なる「同棲」とは決定的に異なります。

【同棲と事実婚を見分けるポイント】
一番の違いは「婚姻の意思」と「社会的実態」です。事実婚は、役所に届け出ていないだけで、実態は夫婦そのもの。これを証明する有力な手段が住民票です。住民票の続柄に「妻(未届)」や「夫(未届)」と記載されていれば、法的に保護される対象になりやすくなります。

【事実婚でも「義務」は法律婚と同じ】
意外かもしれませんが、事実婚であっても、法律婚と同様に以下の義務が生じます。
◆貞操義務(不倫はNG)
◆扶養・協力・同居の義務
◆婚姻費用の分担(生活費の出し合い)
万が一関係を解消する際も、法律婚に準じて財産分与を求めることが可能です。

【注意すべきは「相続」と「税金」】
一方で、法律の壁が厚いのがお金に関する権利です。最大の弱点は、事実婚には法定相続権がないことです。
◆財産を残す工夫
遺言書の作成、生前贈与、あるいは受取人を指定できる生命保険などの準備が不可欠です。
◆税負担の差
法律婚の配偶者が受けられる「相続税の配偶者控除(1.6億円まで非課税)」や「小規模宅地等の特例」は適用されません。また、財産総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超え、遺言などで財産を受け取った場合、相続税額が2割加算されます。

【意外と認められる「遺族年金」や「住まい」】
一方で、遺族の生活を守るための「遺族年金」や「死亡退職金」などは、生計を共にしていた事実が認められれば、事実婚でも受給できる可能性があります(ただし、配偶者がいる場合は、受理されないことが一般的です)。
また、賃貸住宅に同居していた場合、相続人がいないことを条件に、パートナーの死後もそのまま住み続ける権利が保護されています(借地借家法第36条)。

自分たちのライフスタイルに合った形を選ぶ際は、こうしたメリットとリスクを正しく理解し、事前に対策を講じておくことが大切です。

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