「死後離婚」が増えている?

離婚をすると婚姻関係とともに姻族関係(配偶者の親族との関係)も自動的に終了します。ところが、配偶者が亡くなっても、姻族関係はそのまま継続されます。したがって、亡き配偶者の父母や兄弟姉妹などの扶養義務を負うこともあります。

配偶者の死後、配偶者の血族との縁を切りたい場合は、役場に「姻族関係終了届」を提出するという方法があります。「死後離婚」と呼ばれるこの手続きをする人は、10年以上前で年間2000件前後でしたが、ここ数年は毎年3000~5000件にのぼります。

姻族関係を終わりにするかどうかは、本人の意思で自由に決めることができるので、配偶者の親族の了承を得る必要はありません。諸事情により役割から解放されたい場合や、以前から折り合いが悪くて関係を終わらせたい場合に選択する人が多いようです。

姻族関係終了届を提出して姻族関係を終わりにしても、婚姻後の姓のままでいることができますし、相続関係には影響を及ぼしませんので、遺族年金を受け取ることも可能です。提出した本人の戸籍に記載されるだけで、役所から配偶者の親族に通知が届くこともありません。

ただし、この手続きを提出しても、子供たちと祖父母の関係は変わりません。また、後になって後悔することがあっても、撤回することができませんので、慎重な判断が必要です。

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