成年後見「住民参加」促す ~担い手育成を支援~

30%しか利用していない、成年後見制度。
制度が始まり、ある程度期間が経ちましたが、まだまだ利用者が少ないのが現状です。

利用が進まない理由のひとつとして、「存命中は毎月、後見人に報酬を支払わなければならない・・・」という点があります。そんなにお金をかけたくないという家族が多いのでしょう。

さらに、後見人になる専門家も、費用対効果がよくないということもあり、積極的に進めていないという現実があります。

遺産分割、預金の引き出し、不動産の売買など、どうしても意思確認が必要となった場合に、仕方なく後見制度を利用するという方が多いのではないでしょうか。

高齢者の財産を守るため!ということが制度の一つの趣旨でもありますが、これまで通り子どもが親の財産を管理するというご家庭も多いです。
制度の普及には、根本的な改革が必要なように感じます。

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成年後見制度では認知症患者らの預貯金や不動産の管理、福祉サービスの契約などを本人に代わって後見人が担う。

援助者は弁護士や社会福祉士、一般市民や親族などから選ぶ。担い手は弁護士と司法書士が64%を占め、市民後見人は1%にとどまる。市民後見人の養成に取り組む自治体は全体の2割強の393市区町村しかない。

認知症高齢者だけでも25年に推定700万人に達する見込みなのに対し、制度利用者は20年時点で23万人。

厚生労働省は近隣住民が市民後見人になる事例が少ない実態を踏まえ、養成事業の推進などを打ち出す。財産管理だけでなく、地域での見守りや意思確認を通して利用者の権利を守る体制構築を目指す。

(令和3年7月30日 日本経済新聞より抜粋)

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