死亡保険金の受取り方、『一括型』と『年金型』どちらがお得?

「夫が亡くなりました。契約者・被保険者が夫、受取人が私(妻)の死亡保険金を受け取るにあたって、『一括型』と『年金型』のどちらを選んだ方がお得でしょうか? 税金面での違いはありますか?」といったご質問をお受けすることがよくあります。

結論として「どちらが有利かは、個々の状況によるため一概には言えません」という回答になります。当面の生活に必要な資金を保険金以外で調達できるかを検討し、残されたご家族の長期的なライフプランに合わせて選択することが重要です。

税金面においては、最も一般的なこのパターンの場合、死亡保険金は相続税の対象となります。
<『一括型』の場合>
受け取った保険金の総額が相続税の課税対象となりますが、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。非課税枠を超えた部分を他の相続財産と合算し、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えた場合に相続税が課税されます。税金計算が一度で済み、その後の確定申告は不要であることがメリットです。

<『年金型』の場合>
税金は二段階でかかります。
1.死亡時
被保険者が亡くなった時点で、年金として受け取る「年金受給権の評価額」が相続税の対象となり、こちらも非課税枠が適用されます。

2.毎年年金を受け取る時
年金受取額のうち保険会社による運用益に相当する部分が、原則として所得税(雑所得)と住民税の課税対象となります。

【まとめ】
『年金型』は、運用益が生じるため『一括型』より総受給額が多くなることが期待できる反面、毎年所得税の確定申告が必要となり、年金収入の増加によって国民健康保険料の負担増や医療費の窓口負担割合の上昇につながる可能性がある点に注意が必要です。

したがって、『一括型』はまとまった資金の確保に適し、『年金型』は計画的な生活費の補填に適していますが、ご自身の現在の収入状況や今後の資金計画、さらには税負担と社会保険料への影響を踏まえて、最適な受取方法を検討することが大切です。

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