慶喜家も直面 墓承継問題 ~徳川姓の男系男子断絶 新たな形模索~

徳川慶喜は、今年の大河ドラマ「青天を衝け」で主人公の渋沢栄一の人生に影響を与える役回りで登場しています。

番組の最初には徳川家康が毎回登場していますが、ついに徳川家も男系が途絶えてしまうようです。

おそらく歴史的な資料がたくさん残っていると思いますが、それらはどうなるんでしょうね?
家系を男子だけで継いでいくというのは、少子化のこの時代に奇跡的なことなのかもしれません。
家族の歴史が途絶えてしまうのは、なんとも残念なことです。

相続に関しても、家系とお墓の問題は常にでてきます。
相続財産管理人選任の申立て、特別縁故者の申立て、相続財産の国庫への帰属、墓の引越し(改葬)や墓じまい・・・。
こういった相談は、今後ますます増えていきそうな気がします。

(米田貴虎)

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江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜。そんな誰もが知る歴史上の人物も今、現在的な課題に直面している。「男系断絶」による墓の行く末だ。

民法は墓などの「祭祀(さいし)財産」を「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」などと規定し、一般的な相続財産と区別する。
相続財産の承継については法律上、男女の区別がないのに対し、墓は「慣習」で長男など「男系男子」による承継が目立つ。

厚生労働省の「婚姻に関する統計」によると、夫側の姓を名乗る夫婦が9割以上を占めており、女系では代を経るごとに多くの姓が入り組むケースが多いためだ。結婚した女性が嫁ぎ先の家の墓に入り、その子どもたちが父方、母方の2つの家の墓を承継するのが難しくなるという問題もあるようだ。

慶喜家でも代々、男系男子で墓を継いできたが、2017年に慶喜の曾孫で4代当主、慶朝さんが亡くなり、徳川姓を名乗る男系男子がいなくなった。

慶朝さんの姪にあたる山岸美喜さんは、慶朝さんから「相続財産執行人」に指名され、親族の中で特に関係も深かった。墓の行く末も含め、「家族の歴史を日本の歴史としてどう伝えていくべきか」思案している。

(令和3年3月4日 日本経済新聞より抜粋)

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